いつもどこかに痛みを感じるバイオリン弾きのためのブログ

アレクサンダー・テクニークでラクになる日々

小指薬指のパワーを生むボディマッピング

伸ばしても届かない。
押さえる力が足りない。

そんな悩みが解決したきっかけは
ドラマーさんのレッスンでした。

こんにちは!バイオリンのMiyukiです。

ドラマーさんのお悩みは
スティックの握り方。
叩き続けていると手首が痛いのだそうです。

由香先生の提案は
「握る時、小指薬指が
ひじの方に向かう」

指を曲げるためについている筋肉の方へ
向けた方が効率的だからです。

指の筋肉は、遠隔操作。
例えば、ひじ付近から始まり前腕を通り
手首のところで枝分かれして
親指以外の4本に行く筋肉がありますが

もし、パワーを生む太い筋肉を
指自体につけてしまったら
繊細な動きができないので
そうなっています。
(画像を見たくなった方は
「指 屈筋」で検索を☆)


「これは使えそうです!」と喜ぶドラマーさん。
なるほどー、と自分の左手を見ていて
ハッと気がつきました。

私の小指薬指は、ほんの少しだけど
ひじでなく親指方向に向かっています。
そして、ひじに向かわせてみると
動かしやすい。

…ひょっとしてこれは
バイオリンでも使えるかも!

後で試してみたら、予想通り。
遠くまで届くしパワーは増すし
それぞれが独立して動けるから指も回ります。

このちょっとした向きの違いで生まれた距離を
手首や肩で補っていたから
左腕全体が大変だったんだなぁ…。

ほんのちょっとしたことで
演奏が変わるのが毎回面白いです♪

そして、楽器を持って行かなかった日にさえ
演奏のアイディアが持って帰れちゃう楽しさ。
ボディチャンスに来てよかったです^^

<関連記事>

vnmiyuki.hatenablog.com

右手小指のツッパリ解消!弓の持ち方をアップデート

弓を支えようと
つい頑張ってしまう小指のために
あえて手を「見る」ことが役に立ちました。

こんにちは!バイオリンのMiyukiです。

弓を持ち、手の甲側からみたのでは

指のどのあたりで弓に触れているのか?
指はどのくらい曲がっているのか?
力加減はどのくらい?

…謎がいっぱい。

そんなときは
手のひら側から眺めてみましょう。

これなら、一目瞭然。
このあたりで持てば支えられるんだな
という位置が、目で確認できます。

弓の重さも感じるられます。
そんなに重たいものじゃないですよね。
ぎゅーっと握るのをやめられました。

握る時は、親指が他のどの指とも
向かい合わせになれるしくみを
思い出しつつ。

そして小指を置いて
小指だけの力でどのくらい弓が動くか
試してみます。

結果は、ほんの少し。
小指の役割は微調整!と実感できます。

小指だけで頑張らなくてもよくなって
とってもラクに弾けるようになりました!


さてこれは、バイオリンの先生に
教えていただいたやり方なのですが

アレクサンダーの視点からまとめると
・わからなくなったら、見てみよう。
・固まってるかな?と思ったら、動かしてみよう。

と言えそうです。

色々な持ち方で遊んでみると
新たな発見があるかもしれませんね♪

 

曲全体にも、動詞を。~お悩み解決編

「動詞を細かく考えすぎたせいか
演奏中とても忙しくて大変になってしまって…」

とお悩みのピアニストさんに
キャシー先生は練習の組み立て方を
アドバイスしてくださいました。

こんにちは!バイオリンのMiyukiです。

ピアニストさんはあらかじめ
聴衆をお誘いする動詞をフレーズごとに決めて
練習を重ねていらっしゃいました。

でも実際は、個々の動詞は全体像に貢献するもの。
曲全体の大きな弧を描いておき
そこに毎回つなげていく必要があったのです。

なので、まず曲全体として聴衆にしてもらいたいことは
「変容すること」と確認した上で

フレーズごとに動詞を使って
聴衆をお誘いするプランを見ていきました。

動詞1 心がざわついて、人生を見回す
(そうすることで聴衆が変容できるように
音楽の旅路にお誘いする)

「じゃあそこだけ弾いてみてね」とキャシー先生。

動詞2 大丈夫だって知るために、深呼吸して見渡す
(そうすることで聴衆が変容できるように
音楽の旅路にお誘いする)

「じゃあ最初からそこまで弾いてみてね」
と、2つのパートをつなげます。

動詞3 過去の誰かを思い出す
(そうすることで~~~以下略)

「素敵ね。じゃあ次の動詞はなあに?」と
どんどん曲は進んで

動詞4 その人と共にいた出来事が思い出せるように目を閉じる
動詞5 幸せな記憶をもう一度生きる
動詞6 亡くなった人との人生を生きなおす

と、ひとつ動詞が増えるたびに
もう一度最初から弾く練習をしました。

なるほどー。
そうすれば
個々の動詞がバラバラにならずに済みます。

演奏は、とても魅力的でした。
弾き手と同じ世界を
聴き手がイメージするとは限らないのだけれど
何か、心に響くものを感じました。

私が練習している曲ではどんなことができるか
とってもワクワクします♪


さて
こんなふうに演奏できたら素敵だけど
動詞がなかなか思いつかない!
思いついてもマンネリ化!

そんな私は練習法を考えたので
こちらの記事をお読みくださいね♪

不安も解消!動詞の威力

動詞を詳細に具体化したら
演奏が変化していき
しかも不安まで解消したのです♪

こんにちは!バイオリンのMiyukiです。

ホルン吹きさんの相談は
アンサンブルでの一音目が不安
ということ。

この日は金管奏者がたくさんいたので
みんな楽器を取り出して
輪になって演奏することになりました。

こういうの
ボディチャンス音楽コースの
楽しいところなんですよね♪

さて、
ホルン吹きさんの合図で
Bの音を伸ばします。

最初に試した動詞のプランは
「みんなを安全毛布で包む」

これだけでも
ずいぶん安心して音が出せたそうですが

その後
「今度は、自分が選んだ色の安全毛布で
包んでみて」

「次は、自分が選んだ色の
好きな肌触り、素材の安全毛布で
包みましょう」

などと進んでいくうち
いつの間にか不安は消え去っていましたとさ。
めでたしめでたし(^^)

そうやって音楽のことを全力で意図していると
他の余計なことは考えないで済むんですよね。

そして
安全毛布はきっと
それぞれ違う色や肌触りなのに

音の溶け具合や息の合い方が
どんどん素敵になっていったのが
とっても面白かったです♪

ウォームアップは何のためにするの?

どんなこと考えて、ウォームアップしてますか?
レベルをキープするため?
やっておかないとマズいから?

こんにちは!バイオリンのMiyukiです。

キャシー先生によれば
ウォームアップの主な目的は以下の3つ。

1 難しいところでも自信が持てるようにリハーサルしておく

2 特定のタスクのために動ける準備をしておく

3 物理的な理由(楽器が冷たいと鳴りづらいなど)


そして何より
成長し続けるため
芸術性をより高めるために行うもの!
そのために必要だから、やるんです。

なのでここで自分に問いかけることは

Q. 出したい音を出すために
今日必要なことは何だろう?

音出しの1音目からクリエイティブになれそうで
素敵な質問だと思いました♪

 

「動詞を思う」練習法♪

キャシー先生来日中!
授業レポートをお届けしていきますね♪

こんにちは!バイオリンのMiyukiです。

キャシー先生といえば
アメリカで名高い演劇学部でも教えていらっしゃる
パフォーマンスコーチの達人。
音楽家にも役立つ極意を教えてくださいます。

中でも特徴的で効果的で
取り入れたくて仕方ない
でもちょっと練習が必要なのが

「聴衆を動きにお誘いする」
活動的な動詞を思って演奏するプラン。

「こうなんですよ、と述べる」よりも
「動いてください」とお願いしたほうが
聴衆を音楽の世界にお誘いできる
というのが基本の考え方です。
(参考記事を一番下に載せておきますね!)

例えば
ある日のフルート吹きさんの演奏では

「聴衆の目を輝かせるキラキラをふりかける」

モーツァルトが客席の椅子で隠れんぼしてるのを
見つけて指差す
(さっきのお目々キラキラはその準備)」

「作曲のネタがつきると
モーツァルトが客席に遊びに出かける」

フレーズごとに考えた動詞を
ストーリーとしてつなげていったら

「聴衆の創造性や遊び心を目覚めさせるための音楽
っていう全体像が浮かんできたわね」

と、聴き手に届く生き生きとした音楽が
創り上げられていくのを目の当たりにし
驚嘆。そして感激。


それで、いっつも思うのです。
どうしたら、キャシーみたいに
クリエイティブに動詞を思いつけるの??

「音楽家は副詞で考えることに慣れている。
でも演劇では動詞を大切にするの」
とキャシー先生。

副詞…。
確かに楽譜の指示も副詞が多いです。

ならば、と
練習方法を考えました。

Q. この音楽を聴いているとき
私はどんなふうに動きたくなるだろう?

この問いかけを持ちながら
曲を聴いてみました。

すると、普段頭に浮かぶ言葉は

綺麗、カッコいい、
明るい、暗い、
やわらかい、なめらか

などの形容詞であったり

悲しい、幸せ、
草原にいるような、凍てついた
といった「感情・感じ」

だと気付きました。

それを演奏で得ようと思うと
「やわらかく」
「草原にいるように」
と副詞になってしまうわけですね。

Q. この音楽を聴いているとき
私はどんなふうに動きたくなるだろう?

悲しい→涙を流す→ハンカチを取り出す
なら動詞だな。

草原にいるような→風を感じて→走り出す
なら動詞だな。

お。
頑張って考えれば思いつきそうです!


初めての曲だと刺激が多いし
いつも通りに
わーきゃー言いながら聴きたい時もあるので(笑)

慣れ親しんでいる曲で
練習だって決めてやるのがいいと思いました。


…ということを思いついたんだけど、どうですか?
とキャシー先生に尋ねてみたら

「それはとてもいい考えね!!」
とお墨付きをいただきました。わーい(^^)

音楽に命を吹き込むヒントになりますように♪

 

↓参考記事↓

基本編:
【感情じゃなくて、動きのことを考える~キャシー先生】

実体験♪:
【音楽で聴衆を踊らせる♪~②その効果編】

今でも覚えている演奏:
【恋人の名を呼ぶ理由は?~動詞を思って歌う♪】

 

曲に命を吹き込むってこういうことだと思った。

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こんにちは!バイオリンのMiyukiです。

ちょっとしたご縁から
藝高と桐朋の高校3年生が合同で行う演奏会に行きました。
http://cello-cafe.com/info/ensemblefusioneensembleconcert2016331/

もぎりや取り置きチケット受付、ステージの配置換えまで
全て自力だそうです。

取り置きチケットのところで奏者に会えるのは珍しいな
と思って尋ねたら
「終演後はバタバタしてしまうし
こうすれば直接お礼が言えるので…」とのこと。

封筒もかわいく飾り付けされていて、その心意気が素敵でした。

演奏会中、メンバーからの挨拶があり
学校の垣根を超えて何かしたかったという想いや
支えてくれた人たちへの感謝が述べられて
心が和みました。

演奏も素晴らしかったです。
ラヴェルはムダのない透明感に魅力を感じ
チャイコは6人でオケのような鳴りと情熱
メンデルスゾーンは8人の個性が合わさる美しさ。

「これが、高校生最後の日の私たちの音楽です!」
というのが伝わってきて
曲に命を吹き込むって、こういうことなんだと思いました。

「奏者は音楽の旅へ聴衆をお誘いする」
というキャシー先生の言葉や

「聴衆は完璧な演奏を聴きに来ているのではない。
音楽の物語を聴きにきているのよ」
というヴィヴィアン先生の言葉は

こういうことだったんだって、実感しました。


生き生きしてて、素敵だったなぁ。
曲の世界を旅した感じが、とっても心地よかったのです。

そして私は
「ここから何か学ばねば!」と思ってしまいがちだった音楽を
こんなにも楽しめるようになりました。
聴衆としての自分の変化も、嬉しかったです^^