いつもどこかに痛みを感じるバイオリン弾きのためのブログ

アレクサンダー・テクニークでラクになる日々

パフォーマー向け語録2017~その3

キャシー先生のパフォーマー向け語録。
音楽家対象マスタークラスより
今日は【Yesプラン】についてです。

 

演技の時に「○○を聞かない」って思うと、『カメラが気に入らない』表情になってしまう。「他のものを聞く」というプランにしたら、『カメラが気に入る』表情に変わる。

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(大変なパッセージで)「上手くいくといいな」には、「上手くいかないかもしれない」が入っている。「今日どうなるかはわからない」に言い換えてみて。

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学びのきわ(learning edge)でやっていることは、どんなにプランしても上手くいかないかもしれない。新しい息の使い方について、もっと自分に優しい言い方はできる?「ほしい音が出るかどうかやってみよう」とか「実験しよう」とか。

(Cathy Madden)

パフォーマー向け語録2017~その2

キャシー先生のパフォーマー向け語録。
音楽家対象マスタークラスより
今日は【お誘い】についてです。

 

お誘い(invite)とは

「『良かったら』見てください/聞いてください」
という意味。
エゴとも自慢とも違う、旅路や物語へのお誘い。
深い目的がある。

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私は聴衆と「つながる」という言い方はしない。
活動的でないし、コントロールの範囲外だと思う。
つながりは、相手がお誘いに乗ってくれた結果として
生まれるものだから。

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作曲家は、曲を生み出す瞬間から
未来の聴衆をお誘いすることができる。

 

(Cathy Madden)

パフォーマー向け語録2017~その1

キャシー先生のパフォーマー向け語録をまとめました。
音楽家対象マスタークラスより
今日は【パフォーマンス全般】について。

人前で何かする人はみんなパフォーマーだから
同じスキルが必要。

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「三種のウォームアップ」は、クールダウンにも使える。
演奏会が終わって聴衆に会いに行く前などにやっておくと
繊細に反応しすぎるのを防げる。

*「三種のウォームアップ」についてはこちら

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ステージでは恥ずかしいこともある。
そして、障害よりも望みの方が大きいから舞台に立つ。


(Cathy Madden)

 

パフォーマンスに必須の「イチブトゼンブ」

「聴衆を音楽の旅路へお誘いする」について
詳しく知りたい方へ。

音楽家向けのマスタークラスに参加して
学んだことをシェアします♪

・身体のデザインと協調すること
・演奏上のテクニック
・表現のスキル
すべてがつながり合う、ひとつのプランです。

私はアレクサンダーテクニークを使います
  自分の芸術形態の技術を使うために
  この聴衆をお誘いするために
    この旅路へ
    明確かつ身も心も駆り立てられるような理由へ
    自分の人生と世界に貢献するために


「上手くいかないと思うとき
この中のどれかが抜けていることがある」
とキャシー先生は言います。

例えば高い音を当てるのに必死なとき
技術に焦点が当たっているけれど
そのとき
音楽の旅路へのお誘いはどうなっている?

お誘いしているのにしっくり来ないとき
駆り立てられる理由は明確?

演奏することは
自分の人生のどんな目的につながっている?

そんなふうに
ひとつひとつに対して問いを立ててみると
どんな答えが出てくるでしょうか。

 

I use Alexander Technique
  to use the techniques of my art form
  to invite this audience
    on this journey
    for a specific psycho-physically evocative reason
    to serve my life and the world.

(Cathy Madden)

 

調律の狂ったピアノが教えてくれたこと

「音楽のストーリーがあれば
ひとつの音がはずれても
気にならない」

それを文字通り証明できる機会が訪れました。
合宿所にあったピアノが
長いこと調律されていない
正しく弾きようがないピアノだったのです!

バイオリン弾きさんとのレッスンで
狂ったチューニングで演奏する体験を
提案したことさえあるキャシー先生にとって
それは夢のピアノ。(笑)

演奏を始める前のピアニストさんに
聴衆を見渡してもらった後で
先生はこう提案しました。

「鍵盤に向かうとき
私たちを旅路に連れて行くって決めて」

奏でられた曲は
音は外れまくっていたのだけれど
惹きつけられるものがありました。
美しさがありました。

「聴衆はストーリーを聞きに来ている」とは
チェリストでもあるビビアン・マッキー先生の言葉。
それを実感できるレッスンでした。

ホール全体に音を届けたい!

「音が届いてないんじゃないかと不安で」
というフルート吹きさんのレッスン。

聴衆の存在が音楽を育んでくれる…
そんな演奏ができるように
準備しておけることは何でしょう?

キャシー先生は
役者としてのご自身の経験から
こんな提案をしてくださいました。

ホール全体を、くまなく歩く。
客席も、縫うように。塗りつぶすように。
そうすることで
ホールの大きさの情報を
自分全体に与えることができる。


レッスンルームでも、やってみました。

面白かったのは
「じゃあ今度はドアを開けて
あっちの廊下の先まで
ホールだってことにしましょう」
という実験をしたときで

向こうの方まで
くまなく歩いて戻ってきた後の演奏は
明らかに、大きなスペースに適した音量に
変化していたのです。

本番前にホールを歩き回ることが
物理的に難しければ
見るだけでも、情報収集はできるそうです。

必要な情報と意図があるだけで
こんなに違うものなんですね。
興味があったら試してみてください♪

"I fiil the space with me."
場を私で満たしておくの
(Cathy Madden)

 

外から聞こえてくる音が気になるとき

音楽スタジオで授業を受けていたときのことです。

下の階からラフマニノフの2番のフレーズが
聞こえてきました。

同じところを繰り返し演奏するのは
レッスンの構造上そういうもんだと
わかってはいるのだけれど

過去に演奏したことがあって
良く知っている曲なので
聞こえてくるたびにそっちに意識が
持って行かれてしまって
集中を保てず、困っていました。

それをその場で相談。
(授業では、そういうのもアリです)

そんなときは
「自分の立場を強く感じられる物語を
見つける」!

「私は注意散漫になっている」
と思っていると
ガッカリとイライラが増していくけれど

「ランダムな刺激に負けない訓練中!」
とか
「今、前頭前野を鍛えています!」
とか思えたら
刺激にただ反応する代わりに
自分の行動を主体的に選択できます。

(ちなみに前頭前野は意志力を司る脳の部分で
瞑想で鍛えられるそうです)

教えていただいたおかげで
「私のスキルアップのために
むしろ聞こえてきてほしい」
ぐらいの気持ちの変化が。

実際聞こえてきた時も
全然大丈夫になりました♪
めでたしめでたし。