いつもどこかに痛みを感じるバイオリン弾きのためのブログ

アレクサンダー・テクニークでラクになる日々

「調和させよう」として、崩壊したら。

こんにちは!Miyukiです。

三重奏のコーチを引き受けたキャシー先生。

とても複雑な曲で
合わせるたび、崩壊していたのだそうです。

演奏者は先生の知り合いで
3人とも、競争心が強い人たち。

そこでキャシー先生は
「他の2人から逃げ切って!!」と提案しました。

調和を目指す代わりに
競争心をそのまま演奏に持ち込んだらどうなるだろう。

結果、演奏がまとまって
すばらしいものになり
「こんなすごいものを聴いて
お金がもらえるなんて、いいな♪」
と思ったそうです。(笑)


時として、旋律同士を戦わせていい。
そうすることで、音楽がダイナミックになる。

演奏者の現実とマッチしていることを
先生は見抜いたのですね。

調和を目指すための、意外な方法でした。

登場人物を生きる

カルメン、ホセが来てるの。逃げて!」

歌い手さんのレッスンが
とっても印象に残っています。

こんにちは!Miyukiです。

「ひとこと言っただけでも
カルメンは逃げてくれる」

この提案で、音楽がガラリと変わりました。

舞台芸術のエキスパート
キャシー先生の解説です:

「それぞれの登場人物が
それぞれの望みのために戦っているけれど
プロットがそれに応えるとは限らない」

「一人一人がそれぞれ
欲しい物のために戦う
そうすることで、曲の全体像が現れる」

なるほど。
カルメンの命を救う」という動詞が
明確になったから
キャラクターが生き生きし始めたのですね。

結末を知りながら
舞台でその人物を生きる役者さんの
すごさを垣間見た瞬間でした。

学びの4つの段階~実践編

こんにちは!Miyukiです。

先日の
「みんなで逆アレクサンダーをやってみよう」
から体験したことを

『学びの4つの段階』に当てはめてみました。

体験:
手順を説明し始めたら
身体が後ろに行った


気づき:
きちんと説明せねば!と思ってた

→その気づきを元に
 説明し始める時に
 自分の使い方を考えよう


洞察:
正しく説明できなくても
予期せぬ反応を楽しめる。
体験してもらいたいことに
みんなをお誘いできる。


自己理解:
何が起こるかわからないレッスンを
楽しみたい!
そういうふうに教えたい!!


…学びがめっちゃ深まりました。

 


もしこのレッスンで私が
「説明する時、身体が後ろに行く」
という体験だけを持ち帰ってしまうと

「後ろに行かないようにしよう」
ということを目指してしまって
あんまり上手く行かないのでは
と推測します。

トミー先生も
「体験は繰り返せない。
学んだことに注目してほしい」
とおっしゃっていました。

気づきや洞察や自己理解という
「体験から学んだこと」を持ち帰れば
それを元に、次やってみるときの選択肢を
考えることができます。

そして、自分の可能性に気づいたり
自分のことがもっとわかるようになるのは
ワクワクするし、素敵です。

学びの場では、そういうことが起きてほしい
(↑自己理解)。


☆「4つの段階」について詳しくはこちら↓

vnmiyuki.hatenablog.com

指示通りにいかない面白さ

学校教員をしていた頃
指示が一回で通るように
それはそれは気を配って準備していました。

こんにちは!Miyukiです。

きっちり説明して
言ったこと以外、起きないように。
そうすることで
短時間でたくさんのことを
スムーズにやれるように。

でもその日は
指示通りいかなくても
面白いかもしれないよ?
という体験ができました。

「みんなで逆アレクサンダーをやってみよう」
というエクササイズを
リードさせてもらった時のことです。

あるクラスメイトが
「言われたことを、あえてやりませんでした。
そうしたら、こんな体験ができました」
とコメントしてくれたのです。

「なんでちゃんとやってくれないんだ…」
と思うこともできる場面で私は

「へぇ~、面白い!!ありがとう」
と思ったし、言いました。

予期せぬことが起きたのを面白がれるのは
ボディチャンスで学んだことかな?

…いや。
たぶん、元々そういう私もいたんだな。

そしてこれからは、どちらも選べます。
よかったよかった♪

 

ここで学びたいことは、何?

ボディチャンスには
・身体
・思い
・教え方
というアプローチをそれぞれ扱う
3つのがあります。

そのうち先日は、「教え方」のクラスに
出席しました。

こんにちは!Miyukiです。

クラスは題して
「朝の乱取り!3分ティーチング」
からスタートしました。

3人組で
1.先生
2.生徒
3.辛口コメンテーター(笑)
の役割を決め
3分間教えたら交代します。
何を教えてもいい、というルール。

朝一発目に!しかも3分!と動揺しましたが
なんとか形にできるものでした。

コメントするつもりで見るのも面白く
頭も使って超充実。

そのあと、こう聞かれました。

「もうみんな、何かは教えられる。
なのにここに来て学んでいるのは
何を知りたいからなの?」

答えがあるわけではなくて
考えてみてね、ということでした。

…これは、なかなか根源的。

今私が思うことのひとつは
自分の身体や思いについて
もっと発見したい!ということ。

もうひとつは
教える場や学びの場作りに興味がある!
ということ。

そういえばこの日
発見があったのでした。
次回に続きます♪

 

学びの4つの段階~トミー先生

合宿のトミー先生のクラスで
「学びの4つの段階」
というお話があり

楽器のレッスンで
実例を示してくださったので
演奏者ご本人の了解を得てシェアします♪

こんにちは!Miyukiです。

学びの4つの段階とは

1.体験(Experience)
2.気づき(Awareness)
3.洞察(Insight)
4.自己理解(Self-Understanding)

です。

そんなに厳密に分けられないケースも
多いですが

洞察は「こんなこともできるんだ」
自己理解は「こういう自分もいたんだ」
「こういう自分でもいられるんだ」と
可能性に言及するのがポイントと思います。

さて、フルート吹きさんの演奏では
このようなステップをたどりました。

1.「肋骨が動ける」という体験から演奏したら

2.「息がこんなに入ってくる」
という気づきが得られて

3.その気づきから演奏したら
「大変だった曲も吹けそうだ」
という洞察が得られて

4.その洞察から演奏したら
「もっと音楽がやりたいんだ…!」
という自己理解に至りました。

その思いで楽器を見つめ
感情を味わった後で演奏された音楽は
聴衆を涙させるのに十分でした。

その間トミー先生はずっと
ガイドし続けていました。

本当に、美しかった。

こんなふうに話をシンプルにしてしまうには
もったいないくらい
毎回毎回演奏が変わっていって
それぞれに、美しかったのです。


このレッスンから学んだことを元に
今まで経験してきた場面を振り返ると

生徒さんが洞察や自己理解について
お話しているときに
美しさや深みが生まれる気がします。

そんなレッスンができるようになるために
まずは自分がこのステップをたどれるよう
探求したいと思います♪

 

アレクサンダー・テクニーク教師になりました

1600時間のトレーニングを終え
先日のゴールデンウィーク合宿で
卒業式を迎えました。

ボディチャンスだからこそ出会えた人たちが
たくさんいて
先生方や仲間のおかげで
ここまで続けることができました。

どうしたら伝え切れるのかわからないくらい
感謝しています。

今回来日のトミー先生の授業で
自分のことや教えることについて発見し続けていて
一区切りではあるけれど、終わりはないんだなぁ…
と、つくづく思います。

そのとき
また向き合うのかい!とウンザリしてもいいし
こんな可能性がある!とワクワクしてもいい。

反応を自分で選べるって
なんてパワフルなんでしょう。

今は授業に出続けつつ
教える活動を準備中です。

ボディチャンス弦楽器チームと
なにかできたら楽しそうだし
12年の英語教師生活を生かして
学校の先生の力にもなりたいし
英語自体も教えたいと思っています。

形になったら、お知らせしますね♪


<毎日更新中の学校教員向けブログはこちら>

beyouteaching.hatenablog.com