いつもどこかに痛みを感じるバイオリン弾きのためのブログ

アレクサンダー・テクニークでラクになる日々

曲全体にも、動詞を。~お悩み解決編

「動詞を細かく考えすぎたせいか
演奏中とても忙しくて大変になってしまって…」

とお悩みのピアニストさんに
キャシー先生は練習の組み立て方を
アドバイスしてくださいました。

こんにちは!バイオリンのMiyukiです。

ピアニストさんはあらかじめ
聴衆をお誘いする動詞をフレーズごとに決めて
練習を重ねていらっしゃいました。

でも実際は、個々の動詞は全体像に貢献するもの。
曲全体の大きな弧を描いておき
そこに毎回つなげていく必要があったのです。

なので、まず曲全体として聴衆にしてもらいたいことは
「変容すること」と確認した上で

フレーズごとに動詞を使って
聴衆をお誘いするプランを見ていきました。

動詞1 心がざわついて、人生を見回す
(そうすることで聴衆が変容できるように
音楽の旅路にお誘いする)

「じゃあそこだけ弾いてみてね」とキャシー先生。

動詞2 大丈夫だって知るために、深呼吸して見渡す
(そうすることで聴衆が変容できるように
音楽の旅路にお誘いする)

「じゃあ最初からそこまで弾いてみてね」
と、2つのパートをつなげます。

動詞3 過去の誰かを思い出す
(そうすることで~~~以下略)

「素敵ね。じゃあ次の動詞はなあに?」と
どんどん曲は進んで

動詞4 その人と共にいた出来事が思い出せるように目を閉じる
動詞5 幸せな記憶をもう一度生きる
動詞6 亡くなった人との人生を生きなおす

と、ひとつ動詞が増えるたびに
もう一度最初から弾く練習をしました。

なるほどー。
そうすれば
個々の動詞がバラバラにならずに済みます。

演奏は、とても魅力的でした。
弾き手と同じ世界を
聴き手がイメージするとは限らないのだけれど
何か、心に響くものを感じました。

私が練習している曲ではどんなことができるか
とってもワクワクします♪


さて
こんなふうに演奏できたら素敵だけど
動詞がなかなか思いつかない!
思いついてもマンネリ化!

そんな私は練習法を考えたので
こちらの記事をお読みくださいね♪

不安も解消!動詞の威力

動詞を詳細に具体化したら
演奏が変化していき
しかも不安まで解消したのです♪

こんにちは!バイオリンのMiyukiです。

ホルン吹きさんの相談は
アンサンブルでの一音目が不安
ということ。

この日は金管奏者がたくさんいたので
みんな楽器を取り出して
輪になって演奏することになりました。

こういうの
ボディチャンス音楽コースの
楽しいところなんですよね♪

さて、
ホルン吹きさんの合図で
Bの音を伸ばします。

最初に試した動詞のプランは
「みんなを安全毛布で包む」

これだけでも
ずいぶん安心して音が出せたそうですが

その後
「今度は、自分が選んだ色の安全毛布で
包んでみて」

「次は、自分が選んだ色の
好きな肌触り、素材の安全毛布で
包みましょう」

などと進んでいくうち
いつの間にか不安は消え去っていましたとさ。
めでたしめでたし(^^)

そうやって音楽のことを全力で意図していると
他の余計なことは考えないで済むんですよね。

そして
安全毛布はきっと
それぞれ違う色や肌触りなのに

音の溶け具合や息の合い方が
どんどん素敵になっていったのが
とっても面白かったです♪

ウォームアップは何のためにするの?

どんなこと考えて、ウォームアップしてますか?
レベルをキープするため?
やっておかないとマズいから?

こんにちは!バイオリンのMiyukiです。

キャシー先生によれば
ウォームアップの主な目的は以下の3つ。

1 難しいところでも自信が持てるようにリハーサルしておく

2 特定のタスクのために動ける準備をしておく

3 物理的な理由(楽器が冷たいと鳴りづらいなど)


そして何より
成長し続けるため
芸術性をより高めるために行うもの!
そのために必要だから、やるんです。

なのでここで自分に問いかけることは

Q. 出したい音を出すために
今日必要なことは何だろう?

音出しの1音目からクリエイティブになれそうで
素敵な質問だと思いました♪

 

「動詞を思う」練習法♪

キャシー先生来日中!
授業レポートをお届けしていきますね♪

こんにちは!バイオリンのMiyukiです。

キャシー先生といえば
アメリカで名高い演劇学部でも教えていらっしゃる
パフォーマンスコーチの達人。
音楽家にも役立つ極意を教えてくださいます。

中でも特徴的で効果的で
取り入れたくて仕方ない
でもちょっと練習が必要なのが

「聴衆を動きにお誘いする」
活動的な動詞を思って演奏するプラン。

「こうなんですよ、と述べる」よりも
「動いてください」とお願いしたほうが
聴衆を音楽の世界にお誘いできる
というのが基本の考え方です。
(参考記事を一番下に載せておきますね!)

例えば
ある日のフルート吹きさんの演奏では

「聴衆の目を輝かせるキラキラをふりかける」

モーツァルトが客席の椅子で隠れんぼしてるのを
見つけて指差す
(さっきのお目々キラキラはその準備)」

「作曲のネタがつきると
モーツァルトが客席に遊びに出かける」

フレーズごとに考えた動詞を
ストーリーとしてつなげていったら

「聴衆の創造性や遊び心を目覚めさせるための音楽
っていう全体像が浮かんできたわね」

と、聴き手に届く生き生きとした音楽が
創り上げられていくのを目の当たりにし
驚嘆。そして感激。


それで、いっつも思うのです。
どうしたら、キャシーみたいに
クリエイティブに動詞を思いつけるの??

「音楽家は副詞で考えることに慣れている。
でも演劇では動詞を大切にするの」
とキャシー先生。

副詞…。
確かに楽譜の指示も副詞が多いです。

ならば、と
練習方法を考えました。

Q. この音楽を聴いているとき
私はどんなふうに動きたくなるだろう?

この問いかけを持ちながら
曲を聴いてみました。

すると、普段頭に浮かぶ言葉は

綺麗、カッコいい、
明るい、暗い、
やわらかい、なめらか

などの形容詞であったり

悲しい、幸せ、
草原にいるような、凍てついた
といった「感情・感じ」

だと気付きました。

それを演奏で得ようと思うと
「やわらかく」
「草原にいるように」
と副詞になってしまうわけですね。

Q. この音楽を聴いているとき
私はどんなふうに動きたくなるだろう?

悲しい→涙を流す→ハンカチを取り出す
なら動詞だな。

草原にいるような→風を感じて→走り出す
なら動詞だな。

お。
頑張って考えれば思いつきそうです!


初めての曲だと刺激が多いし
いつも通りに
わーきゃー言いながら聴きたい時もあるので(笑)

慣れ親しんでいる曲で
練習だって決めてやるのがいいと思いました。


…ということを思いついたんだけど、どうですか?
とキャシー先生に尋ねてみたら

「それはとてもいい考えね!!」
とお墨付きをいただきました。わーい(^^)

音楽に命を吹き込むヒントになりますように♪

 

↓参考記事↓

基本編:
【感情じゃなくて、動きのことを考える~キャシー先生】

実体験♪:
【音楽で聴衆を踊らせる♪~②その効果編】

今でも覚えている演奏:
【恋人の名を呼ぶ理由は?~動詞を思って歌う♪】

 

曲に命を吹き込むってこういうことだと思った。

twitter.com


こんにちは!バイオリンのMiyukiです。

ちょっとしたご縁から
藝高と桐朋の高校3年生が合同で行う演奏会に行きました。
http://cello-cafe.com/info/ensemblefusioneensembleconcert2016331/

もぎりや取り置きチケット受付、ステージの配置換えまで
全て自力だそうです。

取り置きチケットのところで奏者に会えるのは珍しいな
と思って尋ねたら
「終演後はバタバタしてしまうし
こうすれば直接お礼が言えるので…」とのこと。

封筒もかわいく飾り付けされていて、その心意気が素敵でした。

演奏会中、メンバーからの挨拶があり
学校の垣根を超えて何かしたかったという想いや
支えてくれた人たちへの感謝が述べられて
心が和みました。

演奏も素晴らしかったです。
ラヴェルはムダのない透明感に魅力を感じ
チャイコは6人でオケのような鳴りと情熱
メンデルスゾーンは8人の個性が合わさる美しさ。

「これが、高校生最後の日の私たちの音楽です!」
というのが伝わってきて
曲に命を吹き込むって、こういうことなんだと思いました。

「奏者は音楽の旅へ聴衆をお誘いする」
というキャシー先生の言葉や

「聴衆は完璧な演奏を聴きに来ているのではない。
音楽の物語を聴きにきているのよ」
というヴィヴィアン先生の言葉は

こういうことだったんだって、実感しました。


生き生きしてて、素敵だったなぁ。
曲の世界を旅した感じが、とっても心地よかったのです。

そして私は
「ここから何か学ばねば!」と思ってしまいがちだった音楽を
こんなにも楽しめるようになりました。
聴衆としての自分の変化も、嬉しかったです^^

ハッキリしていることから出発する!

「ハッキリしていることは何?」
と、裕介先生が尋ねました。

こんにちは!バイオリンのMiyukiです。

それは、クラスで演奏を見ていただいた時のこと。

ハイポジションに移るところに不安があること
・どの角度で譜面を見るのがいいのか迷っていること
を相談しました。

すると
「ハッキリしてないんだね。
ハッキリしていることは何?」と質問されました。

ハッキリしていること?!?
ええと…。

「ここに立っていて
短いフレーズだから音はわかっていて
楽器が自分の方にやってきて
弓と弦に置いて動かすと音が出ます」

そう答えながら弾いた一回が
かなり満足のいく結果になってびっくり!

なぜ??


私は最初
今できていないことについて話していました。

でも質問に答えながら弾いたときには
・出したい音を明確にして
・そのために今できることを順番にやる
ことができました。

ハッキリしないことがあるままでも
できたのです。

「ハッキリしていることは何?」という質問は
あれもこれもできてない!とつい思ってしまう時に
とっても役に立ちそうです(^^)

解決策があったら嬉しいけれど
質問を持っていることも楽しくなってきました♪


ちなみに譜面を見る角度調節には
・脚を動かす
・目線だけ動かす
というオプションがあるとわかったのも
ありがたかったです!

 

「憧れのあの人」の目指し方。

このあいだの週末クラスには
ボディチャンス大阪校から裕介先生が来てくださいました!
めったにない機会なので、張り切って参加しましたよ^^

こんにちは!バイオリンのMiyukiです。

みんなで紙とペンを持って、こんな質問に答えました。

Q1.これまでの人生で「いいな♡」と思った先生は誰?

何人でもいいので書きます。

私のノートにはバイオリンの先生を筆頭に
ボディチャンスで教わっている先生方の数々に加えて
ピアノを一番長く習っていた先生なども登場しました。

 

Q2.その先生を「いいな♡」と思った自分の価値観は何だろう?

あの先生だったら、こんなところ。この先生はこれかな。
これも思いつく限り書いていきます。

 

Q3.その先生たち全員に共通することは何?

その答えが
自分が教師として大切にしたいことなのだそうです。

 

私だったら例えば
・知識があり、その伝え方を知っている
・安全(生徒に恐れや不安を抱かせない)
かな。

自分の価値観を知っていれば
「なんかいいな、この先生♡」から一歩踏み込んで
「どこに安全を感じた?先生のどんな行動からそれは来ている?」
と考えることができます。

笑顔、リアクション、言葉遣いなど、何か見つかったら
それを今度は自分の行動に出していきます。
そうして
「大切にしたいこと」が自分でできるようになっていくのです。

 

素敵!
と思うと同時に、ハッとしました。

誰かに憧れると
「その人」になろうとしてしまう自分に気がついたからです。
…不可能プランを目指してたから、苦しかったんだ。

このやり方だと
「その人の素敵な何かをできる自分」になれます。

そういえば、グレッグ先生が言っていました。

twitter.com

「あなたは、あなたになるよ。」
その方法がわかった気がして、嬉しいです。


ではもう一度、3つの質問をおさらい:

Q1.これまでの人生で「いいな♡」と思った先生は誰?
Q2.その先生を「いいな♡」と思った自分の価値観は何だろう?
Q3.その先生たち全員に共通することは何?

先生のジャンルを分けてみたり
憧れの音楽家バージョンでやってみたりしても面白そうですね♪